KGIとKPIの違いは?設定するメリットを解説

KGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)は、企業や組織が目標を設定し、その達成度を測るために重要な指標です。

これらの指標は、営業戦略やマーケティング活動においても非常に重要な役割を果たしますが、両者には明確な違いがあります。

本記事では、KGIとKPIの違いやそれぞれの特徴、設定するメリットについて詳しく解説します。

KGIとは

KGIは「重要目標達成指標」を意味し、企業やプロジェクトが最終的に達成すべきゴールを示す指標です。

具体的には、売上高や利益率、顧客満足度など、企業の成長や成功を測るための最終的な成果を定量的に示します。例えば、ある企業が「今期の売上を前年比10%増加させる」という目標を設定した場合、この売上目標がKGIとなります。

KGIは経営戦略レベルでの最終目標であり、その達成度合いによって企業全体のパフォーマンスが評価されます。

このため、KGIは具体的で測定可能な数値で設定することが重要です。例えば、「顧客数を1000人増やす」や「新製品の市場シェアを20%にする」といった具体的な数値目標が典型的なKGIです。

KPIとは

一方でKPIは「重要業績評価指標」を意味し、KGIを達成するための中間目標や進捗状況を測るための指標です。

KPIは日々の業務活動やプロセスに関連しており、短期的な成果を測定するために設定されます。例えば、「月間新規顧客獲得数」や「リードから商談への転換率」といった指標がKPIに該当します。

KPIは具体的かつ数値化されているため、従業員が日々の業務で何をすべきか明確になります。これにより、各メンバーは自分の役割や責任を理解し、目標達成に向けて行動しやすくなります。

例えば、「今月中に10件の新規リードを獲得する」というKPIが設定されれば、その達成に向けた具体的なアクションプラン(架電件数や訪問件数など)が明確になります。

KGIとKPIの違い

KGIとKPIには明確な違いがあります。

まず、KGIは最終的な結果を示す指標であり、企業全体の成功度合いを測るものです。

一方でKPIは、その結果を達成するための過程や進捗状況を評価する指標です。このように、KGIは「何を達成したいか」を示し、KPIは「そのために何をすべきか」を示します。

さらに、KGIは通常長期的な目標として設定されることが多く、一方でKPIは短期的な目標として設定されます。そのため、KPIはより細分化されており、日々または月単位で評価されることが一般的です。

この違いからもわかるように、それぞれの指標には特有の役割と重要性があります。

KGI・KPI設定のメリット

KGI・KPI設定のメリットには、以下のようのものがあります。

目標達成への道筋が明確になる

KGIとKPIを適切に設定することで、企業全体として目指すべき方向性が明確になります。

特にKPIは具体的な数値目標として設定されるため、「何を」「いつまでに」「どれだけ」達成すべきかが明確になり、従業員一人ひとりが自分の役割や責任を理解しやすくなります。

これによって業務がスムーズに進むだけでなく、生産性向上にもつながります。

評価基準の統一

KPIによって各メンバーの評価基準が統一されるため、公平性が保たれます。主観的な評価ではなく、客観的な数値によって評価されることで、不公平感が軽減されます。

また、それぞれのメンバーが自分のパフォーマンス向上に向けて何をすればよいかも明確になるため、自発的な行動促進につながります。

組織全体のモチベーション向上

共通の目標(KGI)とそれに基づく具体的な行動指針(KPI)が共有されることで、組織全体として結束力が高まります。

各メンバーが自分たちの役割と貢献度を理解し、それぞれが協力して目標達成に向けて取り組む姿勢が生まれることで、組織全体のモチベーションも向上します。

適切な改善施策の実施

定期的にKPIを評価することで、その時点でどこに課題があるか把握できます。例えば、ある月間売上目標(KGI)に対して新規顧客獲得数(KPI)が不足している場合、その原因分析から改善施策につながります。

このようにPDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を回しながら進めていくことが重要です。

KGI・KPI設定時の注意点

KGI・KPI設定時の注意点には、以下のようなものがあります。

達成可能性

設定した目標は現実的である必要があります。理想ばかり追求して非現実的な数値目標を掲げてしまうと、従業員は挫折感を感じ、生産性低下につながります。そのため、自社のリソースや市場環境なども考慮したうえで現実的な数値設定が求められます。

フィードバックループ

定期的な見直しも重要です。市場環境やビジネス状況は常に変化しているため、一度設定した指標だけでは不十分です。定期的に進捗状況を確認し、その結果によって必要に応じて目標修正や施策変更も行う柔軟性が求められます。

コミュニケーション

最後に、組織内でのコミュニケーションも欠かせません。各メンバー間で情報共有や意見交換を行うことで、お互いの理解度も深まり、一体感あるチーム作りにつながります。また、このコミュニケーションによって新たなアイデアや改善点も見つかりやすくなるでしょう。

まとめ

KGIとKPIは企業活動において非常に重要な指標です。それぞれ異なる役割と特徴がありますが、適切に活用することで営業力や組織力向上につながります。これらの指標を効果的に設定し運用することで、自社のビジネス戦略実現へ向けた道筋が明確になり、高い成果へと結びつくでしょう。